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英語の授業の最初に、月・日・曜日を言わせることがよくあります。
その、お約束の「曜日」を答えさせる場面のことです。

  T「What day is (it) today?」
  S「Friday.」
  T「Ok. What day (is the day) before Friday?」
  S「Thursday.」
  T「What day is tomorrow?」
  S「Saturday.」
  T「OK. What day do you like?」
  S「……Friday.」
  T「Why? Why do you like Friday?」
  S「………….」

「What day~」という構文は曜日を尋ねるものだということを生徒はわかっていました。曜日の言い方も定着していたようです。
ですから「今日は何曜日ですか?」「金曜日の前は?」「明日は?」という問いにすぐに答えられました。

そして「do you like?」問われ、
「自分は何曜日が好きなんだろう?」と考えたのが「……Friday.」の「……」です。「次の日が休日だから、私は金曜日が好きなんだ」と考えたのです。

しかし、次の“why?”という問いに答えることができませんでした。

“Why”の意味がわからなかったわけではないようです。
Because the next day is a holiday. ……生徒は「because」や「next」「holiday」という単語を知らなかったのでしょうか。
それとも 「“next”,“holiday”の前につけるのは“the”か“a”か」と悩んでいたのでしょうか。

「なぜ金曜?」「次、休み」でも会話は通じます。「Why?」「ネクスト、ホリディ」でもいいのです。

「話し言葉」と「書き言葉」は違います。
だから「話す」力が入試で問われるようになったのではないでしょうか。
でも、授業で教師は「書き言葉」で話さないといけないと思います。……感想には個人差があります。

紋切り型の質問に対し紋切り型で答える力はあっても、
予測しなかった質問に対し、知っている単語の知識を動員して自分の考えを伝える力がなかった。

これが一つの理由だったと思います。

しかし、予測しなかった事態に対応していく活動こそが、英語で考える「生きた言語活動」であり、
身につけなければならない「生きる力」だと思います。
 
予測しなかった問題に対し、身につけた知識を動員して思考し、結論を出し、行動する力とは生きる力のことです。

これは、他の教科でも同じ事です。

国語の場合、
「初めて見たテキストに関する質問に、適切な答えを導き出す力」が国語で求められる力であり、その力をどのようにしてつけていくかが授業の中心になるのだと思います。

理科の場合、
生徒にとって未知の(不思議に思える)事象に対して、「科学的に考え、仮説を導き出し、それを実証する力」をつけることを、授業の中心に据えるべきだと思います。

質問に対して紋切り型の答えしかできない……。
これでは、おそうじロボット並の能力しかないことになります。
相手の行動を予測し行動して、はじめてAIロボット並と言えるのではないでしょうか。

そして、生徒が、お掃除ロボットやAIロボット並の能力しかないのでは、
これからの社会、よりよく生きていくことは難しいかもしれません。

だからこそ「生きる力」が求められているのです。

そして、もしも教師であるあなたが、与えられた指導書通りの授業しかしようとしなかったら、AIロボットのほうがずっと優秀な授業を展開するかもしれません。

現実に、学校現場にAIロボットが導入されるという方向が出ているようです。(2018年11月16日「20世紀型教師はいらない!? 学校にAI・ロボットがやってくる」2018年11月16日 ICT教育ニュース)

問題はその価格ですね。公立学校に勤めるあなたの給料より低コストなら……地方公務員法、あなたを守ってあげてね♡


私たちがAIロボット程度の授業しかできなかったら、人間の教師は不要とされるかもしれません。

「人間にしかできない」授業とは何か、これから少しずつ考えていきたいですね。


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