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第2時 問題提起2の答えにあたる文を見つける

問題提起文2は「クニマスが、なぜ遠く離れた西湖で生きていたのだろう。」です。

この答えは、どこに書いてあるのでしょう。

問題提起文1の答えは6段落にありましたから、
問題提起文2の答えにあたる文は、7段落以降にあります。

第12段落以降にありそうですね。
  • この黒いマスはクニマスであった。(12段落)
  • 「幻の魚」は生きていたのだ。(12段落)
  • こうした偶然の一致によって、田沢湖で絶滅したクニマスは、遠く離れた湖底で脈々と命をつないでいたのだ(13段落)
どれも、答えっぽいですが、正解はどれでしょう。
正解のポイントは、
  • 問題提起文と対応しているか
です。

そう考えると、13段落の文が問題提起文と対応していることがわかります。
  • クニマスがなぜ遠く離れた西湖で生きていたのだろう。
  • こうした偶然の一致によって田沢湖で絶滅したクニマスは遠く離れた湖底で脈々と命をつないでいたのだ。
ダウンロード西湖

「偶然の一致」とは何か

こう聞かれたら、どこを見ればよいのでしょう。

文章の内容を考えるのは失敗のもとです。
目をつけなくてはいけない言葉は、「こうした偶然の一致」の「こうした」です。

つまり「こうした」により指示される内容を的確に答えればよいわけです。

「こうした」に近いものから順にあげると次のようになります。
  • ↓ 偶然の一致
  • ↓ クニマスが産卵して生存できる条件を備えていた
  • ↓ 田沢湖も西湖も、クニマスの産卵場所の周囲の水温は、四度だった
  • 田沢湖と西湖には共通点があった
ですから「『偶然の一致』とは何か」と問われたら、
解答の条件に応じて近い順から答えていく必要があります。



ちなみに、筆者は「命をつなぐ」と言っています。

筆者は、一匹のクニマスが生まれてから死ぬまでの、一匹の生命について言っているのではありません。
クニマスが、種として子孫を残していくことを「命をつなぐ」と言っているのです。

この13段落には筆者の意図的にミスリードをしています。

それは水深です。

田沢湖の水深と西湖の水深が異なることは、テキストの通りです。
そこで「どうして浅い西湖で命をつないでいけたのだろう」と筆者は問題提起をしています。

田沢湖と西湖の水深が異なることは、放流する以前からわかりきっていたことです。
水深が違うとクニマスが生息できないことがわかっているのなら、
最初から西湖に放流するはずがありません。

水深と産卵とは、クニマスの場合は最初から無関係なことだったのではないでしょうか。

ですから、数字に惑わされて
クニマスが西湖で生き延びてきた理由を間違えてしまわないようにしましょう。

温度さえ同じなら、クニマスはどこにでも産卵できるのですね。

以上の内容は13段落にすべて書いてあります。

黒いマス=クニマスの証明

7段落の最初に「そのクニマスが、遠く離れた西湖で見つかった」とあります。
8段落は、クニマスが絶滅したと言われてから、クニマス探しが行われたことを述べています。
そして9段落以降が「西湖で捕れたという黒いマス」はクニマスであることの説明です。

次の時間は、黒いマスがクニマスであると、どのように証明しているのだろうか読み取ってみましょう。


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