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パターン1 もともと提出する気がない
 
このタイプの生徒は、普段から勉強に関心を持たないことが多く、「提出物なんて、出しても出さなくても関係ない」「テストの点さえ良ければ成績は上がる」などの明らかな思い込みや勘違いから、提出物に真面目に取り組むことができません。
ひょっとしたらご家庭も似たような考えを持っている可能性があります。

このような生徒に必要なことは、「提出物の重要性」をよく理解させてあげることです。

中学の成績は「テストの良し悪し」で決まるのではありません。もちろん、学力の達成度としてテストの点が基準になることは事実ですが、ご存じの通り、通知表(あるいは調査書の評定点)は 「定期テスト+授業態度+提出物」で決まると言っても過言ではありません。
提出物は評定における「関心・意欲・態度」に関わっています。

この定期テスト、授業態度、提出物等を総合したものによって通知表の「1」から「5」までの数字が決まります。
これは各学校で教科の評定評価基準として決められています。(内容はマル秘ですけどね。)

そして「提出物」について言うなら教科内の申し合わせによって「未提出が多い場合は最高評価Aはつかないことがある」ということがあるのではないでしょうか。

これらは、きちんと教科内ですりあわせをしてありますから、教科担任によって差があるということはありません。

評価は「評価」のA、B、Cと「評定」の1~5が連動しています。
ですから、まったく提出できない生徒はテストで最高点をとったとしても評定5をゲットするのは難しいと思います。

ただし特別な事情がある場合は考慮されることもあります。

小学校からのポートフォリオの導入が言われている現在、高校入試・大学入試を視野に入れると、一気に挽回することは不可能となりますから注意してください。

いずれにせよ、まだまだ生徒自身が「提出物の重要性」を認識していない場合、生徒と共にご家庭にもその重要性を認識させ、「提出物=小テスト」だと考えるように伝えしましょう。
テストではよほどのことがない限り、白紙の解答用紙を出す生徒はいないと思いますが、提出物でも全く同じことで、提出物を出さないと、テストの白紙と同じように採点対象とならない(0点と見なされる)ことを伝えるのです。

実際のテストでは答案用紙を埋めようと必死になるのに対し、提出物では毎回白紙を出している……こう考えると提出物を出さないことがどんなに損なのかをわかってもらえると思います。

パターン2 出すことをすっかり忘れてしまう

誰しも経験があることかもしれませんが、パターン1が確信犯であるのとは異なり、「提出物を出すつもりでいるにも関わらず、ついつい忘れて出せない」というタイプです。

毎日提出が義務づけられているものを「忘れた」というのは単なる口実ですが、イレギュラーな提出物を特に忘れてしまう生徒がいます。
これは、本当に提出することを忘れる場合もありますが、提出の準備をすることを忘れ、その結局提出できずに「忘れた」と言う場合も含まれます。
特に、部活などで普段忙しくしている生徒ほど当てはまりやすいようです。

このような生徒に必要なのは「期限」を忘れないように計画的に進めることです。

私の場合、連絡黒板の横に大きな月別のカレンダーを置いて提出期限を書き入れ、連絡黒板には「提出物はいつまで」「提出まであと○日」等、係の生徒に書かせました。
これは各教科いろいろあり担任として全体を把握できないからです。

更に学級通信に、定期テスト以外の「テストの日」や「提出物はいつまで」などを書き、「学校はきちんと家庭に連絡しようとしている」ことをアピールしました。
学級通信を家庭に出さない生徒もいます。そんな時は「このようにご家庭にお知らせしているのですが……」と懇談会等で保護者に見せ、家族のコミュニケーションをとることの大切さとからめて家庭で協力するようお願いしました。

パターン3 期限内に終わらない、期日を守れない

これは提出期限に間に合わない生徒です。
ちゃんと取り組んでいるのにも関わらず、提出物を出せない生徒は、普段の勉強でも要領が悪かったり、計画的に進めるのが苦手だったりするのが特徴です。
中には、「キッチリしたい」という完璧主義がアダとなってしまってなかなか出せない子も考えられますが、めったにいません。

このような生徒に必要なのは、家庭学習の習慣づけを軸に、計画的に少しずつ取り組むことの練習です。
テスト前に一夜漬けでできる生徒も中にはいますが、少なくとも三年の復習テストや総合テストでうまくいくとは思えません。
それにパターン3の生徒はたいてい一夜漬けが苦手なので、普段の学習の中に盛り込んでいく必要があります。

これには、ご家庭の協力が必須です。
しかし協力が期待できない場合は個別指導の対象となります。

どのような内容をどこまで学校で面倒をみるか、どこから家庭で面倒をみるか、
教育基本法に、教育の責任の第一義は家庭にあると明記されていることを念頭に、懇談会等でしっかりと決めることが第一歩だと思います。

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