提出ノートで予習をするか復習をするかは、それこそ自分自身が何を目的にするかで違ってきます。
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「授業がよくわからない」という生徒は(授業の受け方を考え直すとともに)家庭学習で予習をしてから授業を受けるという方法が考えられます。
逆に「授業中は理解していたつもりなのに、何日か経つとできなくなっている。」という生徒には、復習をすることで記憶を定着させればいいのです。

ただ、どちらにも言えることは「継続は力なり!」毎日、続けて家庭学習に取り組むことです。一言でいえば「努力すること」です。

家庭学習の注意点

注意点1 宿題から予習・復習の時間へと、学習の幅を広げる

まず各教科から出された課題からとりかからせます。
ワークブックなどは、定期テストや学期末に提出させられることがわかっています。そしてその内容は定期テストと直結しています。ですから授業と共に進めていくのが正解です。単元プリントのやり直しも良いと思います。

ただ形式的に早くすませようとするのではなく、授業で習った内容を思い出したり、教科書やノートを見直して学習のポイントを確認することで、自分が何を身に付けなければならないのかがわかります。
そこから自分で伸ばそうと思うことや克服しようと思うことを見つけていくように指導します。
これをやっている時「ここ、もう忘れている」と思ったら、教科書やノートを見返して復習するように指導します。

 まあ、これができるんだったら、苦労はしないんですけどね。
これを学活等で取り扱い、クラスの中で数人がやり始めれば大成功だと思いますよ。

注意点2 机に向かったら、すぐに勉強を始める

『ドラえもん』ののび太君の姿です。
机に向かっていても、マンガを読んでいたり、うとうとしていたりすると効果は上がりません。

まあ、これを言ってもなかなかできない生徒が多いですね。

時間を決めて計画通りに勉強することを習慣づけるため、どの学校でも定期テストの前に「学習計画表」を書かせていますが、これをきちんと実行させるだけでも効果が大きいと思います。

注意点3 今、長時間費やしていることを勉強時間にあてさせる

ゲームやTV、PCやスマホ・携帯の時間が長ければ、時間のルールを決めたり、一定時間それをやめて、勉強時間にあてるように指導します。

しかしこれが一番難しい指導です。
なぜなら家庭の協力なしには生活パターンを変えることはできないからです。

「何かを得るには何かを我慢しなくてはいけない」ことをしっかり生徒と家庭に伝えます。

何を我慢し何を手に入れるかは個人の自由です。
しかし「あの時ああすりゃよかった」と手遅れにならないよう、有名な塾の先生が「今でしょ」と言いましたが、今がその時であるということを、生徒や保護者に教えてあげなくてはいけません。

ただし、これすらできない家庭が多くなっていることも事実です。

しかし一度はきちんと保護者にお話しし、それができない場合は学年主任や教務主任・教頭先生に相談し、それでもダメなら……家庭や本人の自己責任だと思います。

教育基本法第十条には次のように書かれています。

  •  第十条 父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、生活のために必要な習慣を身に付けさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るよう努めるものとする。
  •  2 国及び地方公共団体は、家庭教育の自主性を尊重しつつ、保護者に対する学習の機会及び情報の提供その他の家庭教育を支援するために必要な施策を講ずるよう努めなければならない。
学校としては第2項を尽くした、と言えるだけのことをしていれば良いのだ、と割り切りましょう。

担任は生徒の指導はしますが、保護者は指導の対象ではありません。
第1項に問題がある場合は、学校あるいは学校外の組織の出番だと思います。


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