前回「部活のコスト」の話を載せたところ、「コストとは何か」「メリット・デメリットとどう違うのか」という質問を受けましたので、解説します。
 
コストとは「何かをするときに消費されるもの」です。
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例えば三年生を四月に修学旅行に連れて行くとします。修学旅行に行くにあたり業者等に支払うお金が「金銭コスト」です。

また修学旅行中はもちろん、業者選定から会計報告書の作成まで修学旅行にかかる時間を「時間コスト」と言います。

時間コストは同時に集中力や理解力、または体力が必要です。これを「認知コスト」と「肉体コスト」と言います。会計担当の先生は認知コストが、下見に行ったり生徒指導を担当する先生は肉体コストが特に大きいと思います。

修学旅行に行って帰るまでは生徒の安全に対し気を抜くことができません。これを「心理コスト」と呼びます。

これらのコストを支払わない限り修学旅行は実行できません。何をするにしても必要なのがコストなのです。世の中では「コストカット」という言葉が流行っていますが、コストを最小にすることによって、より効果的に何かをしようとしているわけです。

修学旅行に行くことでどんな良いことがあるのでしょう。逆にどんな問題点があるでしょう。これがメリットとデメリットです。

今行ったとおりコストのかからない活動などありません。
問題は、支払ったコストに対し、それに見合ったメリットがあるか、デメリットは何かを天秤にかけ、最小のコストで最大のメリットをあげることが大切なのです。

最大の教育効果をあげるためには、先生たちが幾晩徹夜しようとかまわないというのは、コスト管理を無視したブラックな考えかただと思います。(消耗品だってコスト管理されているのですから、消耗品以下の扱いですね。)

現在、例えば修学旅行を二年生の3学期にやるか三年生の1学期にやるかとか、学級編成替えを二年生になるときにやるか三年生になるときもやるかとか、来年や数年後の学校を見据えて検討する時期かと思います。

コストとメリット・デメリットを、考えられる限りの可能性を考えて天秤にかけ、最小のコストで最大のメリットが期待できる道を選ばなくてはいけません。

学校行事をどう精選するかばかりではありません。今、日課表や時間割などの教育課程全般だけでなく、学力をどう伸ばすか等、いわゆる「検討委員会」の議題になっていると思います。

今後の方向を決めるにあたり、私のような年寄りは今までの経験や思い込みが枷になって、計上するべき要素を見とばしてしまうことがあります。

 「大鉄人17対ブレイン」でお話しした通り、同じ情報がインプットされたスーパーコンピュータですら、まったく逆の結論を得ることだってあります。
最終的には、自分自身の信念が問われているのだと思います。

みなさんの新しい目でコストやメリット・デメリットを指摘し、みんなで「こうしよう」と判断・決定していくことに価値があるのだと思います。

自分には関係ないことと思わずに、居眠りなどせずしっかりと参加しましょう。