興味のある方はこちらをご覧下さい。
「幻の魚は生きていた」は5時間扱いの単元です。
- ウ 伝えたい事実や事柄について、自分の考えや気持ちを根拠を明確にして書くこと。
- イ 文章の中心的な部分と付加的な部分、事実と意見などとを読み分け、目的や必要に応じて要約したり要旨をとらえたりすること。
- オ 文章に表れているものの見方や考え方をとらえ、自分のものの見方や考え方を広くすること。
自然保護の大切さ等を考える道徳の授業や、
魚の生態等を調べる理科の授業とは違います。
クニマス
2段落まで読むと、
疑問の形になっている文が二つあります。
- クニマスはなぜ田沢湖で絶滅したのだろう。
- また、絶滅したと思われていたクニマスが、なぜ遠く離れた西湖で生きていたのだろうか。
この問いの答えがわからなくて、読者に聞いているわけがありません。
読者に問いかけることによって、読者を文章に引き込むための文です。
これを問題提起文と言います。
問題提起文には答えにあたる部分が必ずあります。
それはどこにあるのでしょう。
これを、より速く、より正確に見つけることが、国語では大切なことです。
まず最初の問題提起文「クニマスはなぜ田沢湖で絶滅したのだろう」の答えにあたる部分を探してみましょう。
6段落にあります。
- こうしてクニマスは、人の手による環境の改変によって、他の多くの生物と共に田沢湖から姿を消した。
- そして、地元の人々の生活に根ざしていたクニマスをめぐる文化も同時に消えていった。
- クニマスはなぜ田沢湖で絶滅したのだろう。(問題提起文1)
- こうしてクニマスは、人の手による環境の改変によって、他の多くの生物と共に田沢湖から姿を消した。(6段落第1文)
二つの文では、共に「クニマスは」とあります。
更に、「田沢湖で絶滅した」と「田沢湖から姿を消した」が対応しています。
そして問題提起文の「なぜ」に対応する部分が「人の手による環境の改変によって」です。
問題提起文1の答えは「人の手による環境の改変」だということがわかります。
これは「こうして」が指示している内容です。
「玉川の水は田沢湖に引き入れられた」ことであり、
そしてこの目的は「農業用水」の確保と「水力発電に利用」することです。
もし「人の手による環境の改変とは何か」とテストなどで問われた場合は、
特に指定がない場合は「こうして」に近い順に答えなくてはいけません。
ちなみに、第6段落第二文の「クニマスをめぐる文化」って何でしょう。
ですから出産祝いや病気見舞いも文化なら、民話もカルチャー(文化)なのです。
「アニメ文化」と言いますが、「アニメ文明」とは言いません。
文化は精神的な活動なのです。
(一方、文明は物質的な活動を主に指すような気がします。)
次の時間は、問題提起文2について考えてみましょう。
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