十種神宝 中学国語の基礎・基本

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タグ:生きる力

 教科書の教師用指導書についてくる指導案やワークシートは使いづらい……。
 そこで、毎日の授業に自作のワークシートを使っている人も多いかと思います。

 ワークシートには様々な利点がありますが、その中でもとても優れた点があります。
 それは、自作することにより、その授業の流れをしっかりと意識することができるという点です。

 では、「授業の流れ」とはどのようなものなのでしょうか。

 ロバート・ガニェ(1917-2002)という心理学の先生は「教育設計(ID:Instructional Design それぞれの環境において、最適な教育効果をあげる方法の設計)」の原理を考えました。
 その中で、授業を構成する指導過程を「学びを支援するための外側からの働きかけ(外的条件)」ととらえ、教えるための働きかけは9種類に分類することができると考えました。

 これを「ガニェの9教授事象」と言います。
9events

 これって、一時間の授業の展開とよく似ていますね。
 この「9教授事象」を使って、ワークシートの構成を考えてみましょう。

1  学習者の注意を喚起する

 これは、単元や本時の最初に行われること……

 理科なら「あっ」と驚く事象との出会い
 英語ならその授業はどんな生活場面なのかのシチュエーションの説明
 国語ならテキストの範読

 ワークシートにどんなことを書かせたらいいのかな。
 理科なら疑問、国語なら感想などでしょう。
 英語は……必要ないかもしれませんね。(あっても、2と同じかな?)

2  授業の目標を知らせる

 本時のめあて学習問題がこれにあたります。

 英語ならTodays Goalです。これがないとアウトです。ただし、あらかじめワークシートに書いてしまうか、生徒の中から生まれてきた(かのように)授業の流れの中で生徒に書かせるかは、その授業によって違うと思います。

3  前提条件を思い出させる

4  新しい事項を提示する

5  学習の指針を与える

 3~5がワークシートを作る時の一番の考えどころですね。

 「こうすれば問題が解決するんじゃないかな……」という「学習課題」が据わるところです。

 ガニェは「外側からの働きかけ」に視点をあてて考えています。ですから3~5のように教師主導になるわけですね。理科や国語では、こここそ生徒に考えさせたいところです。
 これを考えさせることこそが、生きる力なのだと思います。

 「どうしたら解決できると思う?」と生徒に投げかけ、反応が悪いとすぐに「じゃぁ、班で(隣同士で)話し合ってごらん」と言ってしまうことが、私にはありました。
 「話し合え」って言われても、自分の考えを持っていない生徒は、他人の話をただ聞くしかありません。(班の全員がそうだったらお通夜の授業になります。)

 言語化されていない「考え」は「考え」ではないのです。

 まず自分の考えをワークシートに書かせること。
 そしてそれをもとに意見交換をさせましょう。
 
 ただし、全員が書けるまで待っていることはないと思います。
 でてきた考えを全体に広める中で、1人1人が自分の「学習課題」を据えていくのです。
 理科や国語では1人1人が異なる「学習課題」をもって「学習問題」に取り組むことだってあります。

 この過程が意識化できるように、しっかりとワークシートに書かせることが大切です。

 理科では「仮説」や「検証の方法」を書かせるところにあたるんじゃないかな。
 国語では「接続詞に注目して」とか「レトリックに注目して」とかになるかもね。
 英語の場合は、「自分の考えを持つ」以前に「英語はこうなっている」と教えるわけですから、3~5はストレートにあてはまりますね。前時の文型を復習し(3)、本時の文型を知り(4)、その違いを理解する(5)わけです。

6  練習の機会をつくる

   これは特に英語では重要でしょう。「わかる」ことと「できる」ことは違うことです。生活場面で使えるように練習しなくてはいけません。
 理科でもいろいろな問題を解かせる部分ですね。「宿題」とか「テスト勉強」でやらせる前に、全員に強制的に練習させたい場合は、ワークシートに組み込むことができます。

7  フィードバックを考える

 これは、6の答え合わせです。

 指名して板書させる場合、全員ができてから指名して板書させる必要はありませんみんなが始めると同時に指名して書かせる……この方が緊張感が生まれます。

 誰に指名するかは十分考えなくてはいけません。
 そして、みんながやっている間に机間指導(机間巡視ではない)をして、つまずきのある子には手立てを講じます。

8  学習の成果を評価する

 ガニェは教師の立場でこの「9教授事象」の「評価」を考えました。
 しかし、生徒自らが学習の成果を評価することが今時の流行です。

 この学習を振り返ってどうだったか……「がんばった」とかではなく、「何が」できるようになったのか(わかったのか)を書く「振り返り」の項目は、ワークシートになくてはならない項目だと思います。

9  保持と転移を高める

 8の前に、次時への期待を高めるために9をやる場合もあります。
 これをワークシートに書かせれば、次時に「前の時間に何をやったのかな」と問う必要はなくなります。
 次の時間に「前の時間に何をやったた」問えば、忘れた生徒はワークシートを見ようとしてくれるのではないでしょうか。)

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 「キャリア教育」の一環として職場体験学習が各校で計画されています。

 1960年代、池田勇人内閣は「働くということは、はたを楽にするということでございます」のキャッチフレーズで「所得倍増計画」を掲げ、高度経済成長をもたらしました。
 この当時は、キャリア教育は「進路指導」と言われていました。

 しかし高度経済成長下の金の卵が絶滅危惧種になって以来、中学校で進路指導と言えば進学指導のことを指すようになりました。今でも進路指導の係の先生の仕事は主に進学指導のことを指す場合が多いようですね。

 それから40年が経ち、偏差値の高い高校・大学へ行けば一生安心……そんな右肩上がりの幸せな時代は終わりました。バブルが崩壊した2000年頃には、ニートとかフリーターが増え始め、社会問題になりました。
 就職氷河期と言われ、苦労して就職したにもかかわらず若者たちが「就職後3年でやめていく」と言われたのもこの頃です。

 これに対し時の政府は「将来を担う若者たちに勤労観、職業観を育み、自立できる能力をつけること」を目的に「キャリア教育」を推進しました。「生きる力」という言葉が使われ始めたのもこの頃です。

 バブルが崩壊した当時の文科省は、20年、30年後を見越して子どもたちに「生きる力」をつけようと考えました。
 この流れの中で、特別活動や総合学習の枠の中で「生徒が事業所などの職場で働くことを通じて、職業や仕事の実際について体験したり、働く人々と接したりする学習活動」(文部科学省)として職場体験学習が始まったのです。
 ちょうど総合的学習の時間がスタートした頃です。

 そして失われた20年が経ち、バブル崩壊の頃に心配されていた「未来」がいよいよ到来しました。

 現在文科省はキャリア教育の必要性を次のように述べています。

  • 少子高齢社会の到来、産業・経済の構造的変化や雇用の多様化・流動化
  • 就職・就業をめぐる環境の変化
  • 若者の勤労観、職業観や社会人・職業人としての基礎的・基本的な資質をめぐる課題
  • 精神的・社会的自立が遅れ、人間関係をうまく築くことができない、自分で意思決定ができない、自己肯定感を持てない、将来に希望を持つことができない、進路を選ぼうとしないなど、子どもたちの生活・意識の変容
  • 高学歴社会におけるモラトリアム傾向が強くなり、進学も就職もしなかったり、進路意識や目的意識が希薄なまま「とりあえず」進学したりする若者の増加
 終身雇用制度は崩壊し、AIや外国人労働者、非正規採用者の職場に占める割合が増加する中、生徒たちにリアルに「生きる力」をつけてあげなくては、文字通り「生きる」ことのできない時代になったのです。
 自分のことなのに、ぬるくなり始めたお風呂から出られなくなったような(風呂から出れば寒い。しかし、このまま風呂につかっていてもお湯は冷めていくだけの)現状に対し何もしようとしない(「できない」ではありません。)若者たち……。年金制度も行き詰まる中、どうやって生きのびることができるのでしょうか。

 現在のキャリア教育は、これをなんとかしようとする試みなのだと思います。

 ですからキャリア教育……「職業観・勤労観を育む学習」では「人間関係形成能力」「情報活用能力」「将来設計能力」「意思決定能力」を培うこと(文部科学省)が求められているのです。

 職場体験学習は、それを行うこと自体が目的なのではありません。
 ましてやお世話になる事業所は「教える」ことのプロではありません。

 現在、職場体験学習の日そのものは「学校行事」か「総合的な学習の時間」としてカウントされていると思いますが、この学習を通して、何を学ばせ、どんな力をつけるのかを明確にし、それを生徒におろしていくのは、事前・事後の「総合的学習」あるいは「特別活動」に委ねられています。
 (だいたい、希望した職場に就職できる人間なんて、今時ほとんどいません。それが現実であることをふまえ、どう指導し、どう「学習のねらい」を達成させるかが、私たちの仕事ですよ。また、学習の成果が「キャリア教育」のねらいと合致しているといいですね。)


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 若いみなさんが高校・大学へ進学した当時、

 「確かな学力」とは「生きる力」を知的側面からとらえたもので、

 「知識や技能はもちろんのこと、これに加えて、学ぶ意欲や自分で課題を見付け、自ら学び、主体的に判断し、行動し、よりよく問題解決する資質や能力等まで含めたもの」

 とされていました。

 ちなみに「生きる力」は「確かな学力」の他に「豊かな人間性」「健康・体力」があります。
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 「確かな学力」で知識や技能の定着を目指すのはよいのですが、
  • どうやって課題を生徒に発見させるのか。
  • 生徒が「やれ」と言われたからやるのではなく、自分から学び続けるためにはどんな指導が有効なのか。
  • どんな資質や能力をどのように育てればよいのか
等々、先生たちの悩みはつきませんでした。

 しかし、そんな中でも世の中はどんどん変わり続けました。

 同時多発テロやリーマンショック後の世界同時不況により
 「失われた十年」は「失われた二十年」になり、
 その間格差社会が進み、ブラック企業がはびこったことは、
 みなさんもご存じの通りです。

 この「就職氷河期」の中で就職時期を迎えたみなさんの先輩たちが、
 今も、ひきこもりニートになっていることが社会問題になっています。

 少子高齢化年金問題が最近クローズアップされていますが、
 これは年号が昭和が平成に変わった30年以上前からわかっていたことです。
 (先送りにし続けたツケをこれから払わされるだけのことです……ただそれだけのことですよ。泣)

 今、銀行の支店が次々に閉鎖されています。
 保険会社などは数千人単位でリストラを行っていることもご存じの通りです。
 また、今年になって「入国管理法」が改正され、
 外国人労働者の本格的な受け入れが始まりました。
 
 銀行の閉鎖や保険会社のリストラは、なぜ起こったのでしょう。

 これは第4次産業革命*1)の結果を見越してのことです。

 第4次産業革命の原動力は、ネットワークAIです。
 その結果、事務系の仕事はすでになくなりつつあるのです。
 そして事務系でない現場方でも、
 単純な仕事は人件費の安い外国人労働者に、ということでしょうか。
 (意見には個人差があります。)

 これが、指導要領で言う「世の中のグローバル化や急速な情報化、技術革新」の中身です。
 今後、どのように子どもたちが生きていく社会が変化していくのか、誰にも予測ができません。

 しかし子どもたちは、否応なく訪れる変化に対応し、
 確実に苛烈になっていく国際社会の中で
 よりよく生きていかなくてはいけないのです。

 そのためにも、単なる知識だけではない、
 「確かな学力」は、より幸福を追求するために
 なくてはならない力なのだ、と指導要領は考えているようです。

  *1) 第4次産業革命
 18世紀末以降の水力や蒸気機関による工場の機械化である第1次産業革命、20世紀初頭の分業に基づく電力を用いた大量生産である第2次産業革命、1970年代初頭からの電子工学や情報技術を用いた一層のオートメーション化を第3次産業革命と言います。それに続く産業革命です。
 第4次産業革命は、二つの技術革新が原動力となっています。
 一つ目は“IoT”と“ビッグデータ”です。“IoT(物のインターネット Internet of Things)”とは、様々な「モノ(物)」がインターネットに接続され(単に繋がるだけではなく、モノがインターネットのように繋がる)、情報交換することにより相互に制御する仕組みや、それによるデジタル社会(クロステック)の実現を指すしくみです。具体的には、工場の機械の稼働状況から、交通、気象、個人の健康状況まで様々な情報がデータ化され、それらがネットワークでつながり、これを解析・利用することで、新しい付加価値が生みだされるしくみです。
 二つ目はAI(人工知能)です。人間がコンピューターに対してあらかじめ分析上注目すべき要素を全て与えなくとも、コンピューター自らが学習し、一定の判断を行うことを可能とする技術です。将棋や囲碁などでは、ほとんど名人級の思考力を備えるようになりましたね。このAIに従来のロボット技術が加わったとき、更に複雑な作業が可能となります。また3Dプリンターの発展により、省スペースで複雑な工作物の製造も可能となります。
 この“IoT” “ビックデータ”と“AI”が結びついたとき、人間に残された仕事は限られたものになります。“AI”にはできない、人間にしかできない仕事をする力を伸ばそうというのが「生きる力」なのだと思います。

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なぜ今、学校現場で「学び」が求められているのでしょう。

これは、学習指導要領の改訂の歴史と改訂に至る時代背景を考えるとよくわかります。

 ――――――――――

今は昔……と言っても、20代の若いみなさんが生まれる、少し前のことです。

世の中はバブル景気に沸いていました。
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みなさんには信じられないでしょうが、世の中はイケイケで、就職は売り手市場、建設業や金融業に就職希望が殺到しました。

学校では少年非行や校内暴力が流行り、教員のなり手が減少したのもこの頃です。

この頃の某テレビ番組に登場した一人のツッパリ系不良女子中学生が、先日国会で「愚か者の所業」「恥知らず」と発言していました。立派になったものです。
 
この「学校の荒れ」は「詰め込み主義」に原因があったのではないか、という反省から「新しい学力観」という言葉が使われ始めました。

そしてこの「新しい学力観」が、「生きる力」という形になりました。(1996中教審「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」)
 
ちょうどみなさんが生まれた頃でしょうか。この大きな路線転換は、「ゆとり路線」と言われました。
 
「みんな違って みんないい」という金子みすゞの詩や、SMAPの「世界に一つだけの花」が流行ったのも、ちょうどこの頃です。

ところがこの「ゆとり路線」は、子どもの自主性を尊重しすぎて指導ができていないのではないか、 学力低下が起きているのではないか、という批判がマスコミを中心にして起こりました。

これにダメ押しをしたのが2000年のPISA問題*1)です。「分数がわからない大学生」が問題になりました。

そしてみなさんが幼稚園や保育園に通い始めた頃、「確かな学力」が提案*2)されました。

確かな学力」は、詰め込み時代の「勤勉主義+学問中心主義」と、古くて新しい「経験主義+児童中心主義」の折衷案でした。

「ゆとり路線」で授業時間が減らされたまま、「確かな学力」をつけるために一層「教育内容の厳選」が行われ、学校行事の見直しが行われました。

同時に「体験的・問題解決的な学習などのきめ細かな教育活動を展開」するように、みなさんの小学校・中学校の担任の先生達は指導主事から何度も何度も指導されました。

*1) PISA問題
 OECD(経済協力開発機構)加盟国を中心に3年ごとに実施される15歳児の学習到達度調査です。主に読解力・数学的リテラシー・科学的リテラシーなどを測定しています。日本の成績は平成15年(2003)、平成18年(2006)と続落し、ゆとり教育の問題点が指摘されました。

*2)「確かな学力」が提案
 1998年(平成10年)に告示された学習指導要領は「生きる力をはぐくむこと」を基本理念としました。この「生きる力」の中には「基礎的・基本的な内容の確実な定着」が含まれていました。
 そして「基礎的・基本的な内容の確実な定着」を徹底するために、指導内容を3割程度削減しました。例えば「円周率は3でよい」とし議論を呼びました。(しかしその渦中、東大や阪大では入試に「円周率は3.05より大きいことを示せ」等の円周率問題を出題しました。学習指導要領は知識ではなく思考力を求めていたことの象徴的な例だと思いますよ。)
 指導内容を3割削減した結果、児童・生徒にとって十分な教育を行いうる状況でなくなったと更にマスコミを中心に学力低下論争が更に激化しました。
 これを受け文部科学省は「『生きる力』という基本理念をより拡充する」という名目で「確かな学力」を児童・生徒に身につけるよう、学習指導要領の施行の翌2001年に、緊急アピール「学びのすすめ」が出されました。


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英語の授業の最初に、月・日・曜日を言わせることがよくあります。
その、お約束の「曜日」を答えさせる場面のことです。

  T「What day is (it) today?」
  S「Friday.」
  T「Ok. What day (is the day) before Friday?」
  S「Thursday.」
  T「What day is tomorrow?」
  S「Saturday.」
  T「OK. What day do you like?」
  S「……Friday.」
  T「Why? Why do you like Friday?」
  S「………….」

「What day~」という構文は曜日を尋ねるものだということを生徒はわかっていました。曜日の言い方も定着していたようです。
ですから「今日は何曜日ですか?」「金曜日の前は?」「明日は?」という問いにすぐに答えられました。

そして「do you like?」問われ、
「自分は何曜日が好きなんだろう?」と考えたのが「……Friday.」の「……」です。「次の日が休日だから、私は金曜日が好きなんだ」と考えたのです。

しかし、次の“why?”という問いに答えることができませんでした。

“Why”の意味がわからなかったわけではないようです。
Because the next day is a holiday. ……生徒は「because」や「next」「holiday」という単語を知らなかったのでしょうか。
それとも 「“next”,“holiday”の前につけるのは“the”か“a”か」と悩んでいたのでしょうか。

「なぜ金曜?」「次、休み」でも会話は通じます。「Why?」「ネクスト、ホリディ」でもいいのです。

「話し言葉」と「書き言葉」は違います。
だから「話す」力が入試で問われるようになったのではないでしょうか。
でも、授業で教師は「書き言葉」で話さないといけないと思います。……感想には個人差があります。

紋切り型の質問に対し紋切り型で答える力はあっても、
予測しなかった質問に対し、知っている単語の知識を動員して自分の考えを伝える力がなかった。

これが一つの理由だったと思います。

しかし、予測しなかった事態に対応していく活動こそが、英語で考える「生きた言語活動」であり、
身につけなければならない「生きる力」だと思います。
 
予測しなかった問題に対し、身につけた知識を動員して思考し、結論を出し、行動する力とは生きる力のことです。

これは、他の教科でも同じ事です。

国語の場合、
「初めて見たテキストに関する質問に、適切な答えを導き出す力」が国語で求められる力であり、その力をどのようにしてつけていくかが授業の中心になるのだと思います。

理科の場合、
生徒にとって未知の(不思議に思える)事象に対して、「科学的に考え、仮説を導き出し、それを実証する力」をつけることを、授業の中心に据えるべきだと思います。

質問に対して紋切り型の答えしかできない……。
これでは、おそうじロボット並の能力しかないことになります。
相手の行動を予測し行動して、はじめてAIロボット並と言えるのではないでしょうか。

そして、生徒が、お掃除ロボットやAIロボット並の能力しかないのでは、
これからの社会、よりよく生きていくことは難しいかもしれません。

だからこそ「生きる力」が求められているのです。

そして、もしも教師であるあなたが、与えられた指導書通りの授業しかしようとしなかったら、AIロボットのほうがずっと優秀な授業を展開するかもしれません。

現実に、学校現場にAIロボットが導入されるという方向が出ているようです。(2018年11月16日「20世紀型教師はいらない!? 学校にAI・ロボットがやってくる」2018年11月16日 ICT教育ニュース)

問題はその価格ですね。公立学校に勤めるあなたの給料より低コストなら……地方公務員法、あなたを守ってあげてね♡


私たちがAIロボット程度の授業しかできなかったら、人間の教師は不要とされるかもしれません。

「人間にしかできない」授業とは何か、これから少しずつ考えていきたいですね。


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